円錐角膜

〇円錐角膜とは、黒目の中央部分の厚みが薄くなり、黒目の部分が前方へ円錐状に突出する病気です。

思春期に発症することが多く、徐々に進行し、個人差はありますが30歳を過ぎる頃から進行が停止してくる病気です。

〇有病率は、日本では1万人に1人、欧米では5百人から2千人に1人と言われています。

〇日本ではまだ自費治療ですが、円錐角膜の進行を停止させる「角膜クロスリンキング」という治療法が登場してきました。


円錐角膜に関してよくある質問

Q:どうゆう病気ですか?

A:●黒目(角膜)の中央部分の厚みが薄くなり、黒目の部分が前方へ円錐状に突出する病気です。そのため、黒目の部分が変形し乱視がひどくなり視力低下になります。また、この乱視はメガネで調整することが難しいです。思春期に発症することが多く、徐々に進行し、個人差はありますが30歳を過ぎる頃から進行が停止してきます。●有病率は、日本では1万人に1人、欧米では5百人から2千人に1人と言われています。

Q:原因は何ですか?

A:ハッキリとした原因は分かっていません。但し、●遺伝的な原因は6%~20%という報告があります。●アトピー性皮膚炎やダウン症候群などの全身の病気に合併するという報告があります。

Q:診断方法はありますか?

A:ある程度進行した状態であれば診断は容易です。但し、初期の状態で診断するには、特殊な診断機器がある施設や円錐角膜の専門医がいる施設でないと難しいです。但し、一般の眼科にある診断機器でも「円錐角膜疑い」の診断は可能です。

Q:治療法はありますか?

A:●初期であれば眼鏡で矯正可能です。中等症以上になるとハードコンタクトレンズでしか良好な矯正視力が得られなくなります。更に悪化すると、 角膜移植などの外科的手術が必要となります。近年、「角膜クロスリンキング」という黒目部分の変形の抑制 を目的とした治療が欧米を中心に試みられています。

Q:「角膜クロスリンキング」とはどのような治療法ですか?日本でもその治療を受けれるのでしょうか?

A:●眼の中にはコラーゲン線維を溶かす酵素があり、これが活性化し黒目のコラーゲン線維を溶かしてしまい黒目が薄くなります。薄くなった黒目は目の内側からの圧力(眼圧)に耐えられず前方に突出してしまい、これが円錐角膜の病態です。●「角膜クロスリンキング」とは薬剤(ビタミンB)と紫外線を使って、角膜のコラーゲン線維を強化して円錐角膜の進行を予防する治療法です。●2016年に米国で認可され世界中で行われている治療法ですが、日本ではまだ未認可であり自費治療として行われています。現在、北海道で行っている施設はありません。●治療はほぼ1回で終了します。かかる費用は施設によりますが、目安として東京歯科大学・市川総合病院では20万円です。