眼瞼けいれん

○自由に目が開けにくくなったり、まばたきが増えたりといった目の開け閉めがしづらくなった状態が「眼瞼けいれん」です。

○症状の訴えは多彩です。

○症状が「ドライアイ」と似ている場合が多く、「ドライアイ」と診断されている患者様の1~2割が「眼瞼けいれん」だったという報告もあります。

○眼瞼けいれんの患者様は歩行中の事故が多いです。

○「眼瞼けいれん」の3割は薬剤が原因です。

○40歳~50歳以上に多く、女性は男性の2.5倍かかりやすく、日本には軽症な患者様を含め30~50万人以上の患者様がいると言われています。

                   治療前         治療後


眼瞼けいれんについてよくある質問

Q:「眼瞼けいれん」の原因は何ですか。

A:多くの場合原因不明です。但し、精神安定剤、睡眠導入剤、抗精神病薬の連用や化学物質への暴露が原因や発症の誘因になっている場合があります。「眼瞼けいれん」の3割は薬剤性だという報告もあります。

Q:目の周りがピクピクしなくても「眼瞼けいれん」というのですか。

A:「眼瞼けいれん」では必ずしも目の周囲がピクピクするわけではありません。不要なまばたきが増えたり、自由に目を開けることが出来ないことが「けいれん」の原因です。

Q:どういった症状が多いのですか。

A:多彩な訴えがあります。主な症状を下記に示します。

①まぶしい

②目を開いているのが辛い、目を閉じている方が楽である

③目が自然に閉じてしまう

④目が渋い、ゴロゴロする

⑤目が細くなった気がする、上瞼が垂れてきた

⑥まばたきが多い

⑦片目をつぶってしまう

⑧手指を使わないと目を開けられない

⑨眉間にしわがよる

⑩目の周囲がけいれんする

Q:「眼瞼けいれん」と「ドライアイ」を区別する方法を教えて下さい。

A:「眼瞼けいれん」は次のような特徴があります。この特徴は「ドライアイ」にはありません。

●うす目や下向きで楽である

●開瞼動作が遅い

●早いまばたきがしづらい

●薄暗くてもまぶしい

●人や物にぶつかりやすい

●歩行中の事故が多い(電柱にぶつかる等)

Q:「眼瞼けいれん」の治療を教えて下さい。

A:根治的に治す方法はありません。

●最も多く行われている対症療法は、ボツリヌス毒素製剤を目の周囲に注射して、目を閉じる力を弱める方法があります。効果は2~4ヶ月間持続します。この治療は、この治療に関して講習を受けた医者しか施行することが出来ません。当院ではボツリヌス毒素製剤の眼周囲への注射を施行することが出来ます。

●他に薬物療法がありますが補助的な治療です。

●抑うつ感があると症状が悪化するので、心の安定を保つことが必要です。

●薬剤が原因のときは、原因となる薬剤を出来るだけ早く止めることが大切です。

Q:「片側顔面けいれん」について教えて下さい。

A:●片側の目を閉じる筋肉、笑うときに使う筋肉、口の開閉を行う筋肉が勝手に動きピクピクする病気です。痛みは伴いません。また、両側に起こる事は非常にまれです。

●原因は、片側の顔面神経が接している血管から刺激を受けていることが最も多いです。腫瘍や血管瘤から刺激を受けていることもあるため、一度はシッカリとした検査をする必要があります。顔面神経麻痺の治りかけに出現することもあります。

●根治的治療は、脳神経外科での手術治療で神経と血管がぶつからないようにします。対症療法としてボツリヌス毒素製剤の注射を行います、効果は3~4ヶ月です。この注射も講習を受けた医者しか施行できません。当院では施行することが出来ます。