今回は院内感染予防、インフルエンザ、ノロウイルス、麻疹(はしか)についての講演で、主に医療従事者向けの内容でした。
<インフルエンザ>
●症状は、①突然発症、②38度を越える発熱、③上気道炎症状、④全身倦怠感などの全身症状や筋肉痛です。
●予防法は、①手洗い、②うがい、③マスク、④ワクチン(流行する前に済ませる)です。
●予防の基本は、流行前にワクチン接種を受けることで、欧米では一般的な方法です。日本でも年々接種率が上がっています。
●インフルエンザワクチンは、インフルエンザにかかった場合の重症化を防ぐことに有効であると報告されています。
●入院中の患者様を守るために、病院にお見舞いに行くときには、①せき、熱、かぜ症状があるときは病院へ行かないようにすること、②病室に入る前に廊下の消毒薬で手を消毒すること、などが必要です。
<ノロ>
●以前は「冬のおなかにくるかぜ」などと言われていましたが、今年はその期間以外にも発生しています。
●症状は、水のような下痢、嘔吐、発熱です。
●アルコール消毒が効きにくいです。
●多くの人が集まる施設(病院、保育園、学校など)ではどこでも流行し、集団感染が生じやすいです。
●原因となるノロウィルスは、①感染力が極めて強い、②身近に存在する、③患者様の便、嘔吐物に多量に存在する、④アルコール抵抗性がある、⑤接触感染のみならず、飛沫感染、空気感染の可能性があります。
<麻疹(はしか)>
●流行の主体は、予防接種歴のない、または接種歴の不明な成人であり、年齢別の麻疹の発症報告をみると、全体の50%以上が20代~30代でした。