○色覚異常の治療法はありません。
○本人が何色が見づらいのか、何色の区別がつきにくいのかを理解することが大切です。
○色覚異常の検査は眼科ですることが出来ます。希望者がいれば検査をする学校もあります。
○区別がつきにくい色を区別しやすくするメガネがあります。但し、その色自体が分かるのではなく、他の色と区別がしやすくなるだけです。
●生れながらの色覚異常(先天性色覚異常)は日本人男性の5%(20人に1人)、女性の0.2%(500人に1人)の頻度でおきています。日本国内では300万人以上が該当し、まれな病気ではありません。色覚異常の程度は人によって異なりますが、多くの患者さんでは色覚異常のため日常生活に困ることはありません。
●色覚異常は色が全く分からないのではなく、強度の色覚異常であっても日常生活に支障はありません。但し、薄暗いところ、一瞬の判断、見る物の面積が小さい時などに色を間違えることがあり、学業や職業で失敗したり誤解されたりすることがあります。混同しやすい色の組み合わせは下記のとおりです。
●混同しやすい色の組み合わせ
1:赤色と緑色
2:橙色(だいだい色)と黄緑色
3:茶色と緑色
4:青色と紫色
5:ピンク色と白色・灰色
6:緑色を灰色・黒色
7:赤色と黒色
8:ピンク色と水色
赤色が見づらい人(1型色覚異常)に該当する組み合わせ:1~8
緑色が見づらい人(2型色覚異常)に該当する組み合わせ:1~6
●色覚異常で就業不可能な職種はほとんどありません。しかし、どんな職種であっても重大な問題には至らない小さな失敗や困難が生じる可能性があります。小さい頃より色覚異常の自覚を持ち、自分の色誤認の特徴を把握し、色の見分けが必要な場合には、慎重に行動すればほとんどのミスを回避できます。進路を選択する場合には、その業種内容が色識別をどの程度まで要求しているかを確認することが大切です。
●警察官、海上保安官、入国警備官等の公安関係、自衛官、消防官、航空機乗務員、電車運転士、海技士などは、現在でも厳密な色覚異常に関して制限が設けられています。一般企業でも制限を設けている企業や業種がときにあります。