DPP-4阻害薬/SGLT2阻害薬を併用する意味とは?

今回は糖尿病に関する講演会でした。

<高齢者糖尿病患者様の特徴> 

●60歳以上の日本人の1/3は糖尿病予備軍であると言われています。

●高齢者の糖尿病患者様の特徴は、高血糖や低血糖を起こしやすく、特に低血糖に対して脆弱です。

●高齢者の低血糖は、自律神経症状である発汗・動悸・手のふるえなどの症状が出づらく、無自覚低血糖や重症低血糖を起こしやすく、低血糖の悪影響がでやすいです。

●高齢者は腎機能低下が出やすく薬物の有害作用がでやすいです。

 <DPP-4阻害薬、SLGT2阻害薬>

●DPP-4阻害薬は日本で一番使われている糖尿病薬です。作用は①膵臓からインスリン分泌を促進させ、筋肉や肝臓などへのグルコースの取り込みの促進②膵臓からグルカゴン分泌を抑制させ、肝臓からグルコース放出の抑制します。

●SLGT2阻害薬はアメリカで一番使われている糖尿病薬で、日本では三番目に使われています。作用は尿からグルコースを排出します。

●二つの薬剤は共に低血糖を起こしづらい薬剤であり、併用することでより効果を上げることが報告されています。

●糖尿病の治療薬にはこの2つ以外にも色々あり、インシュリン注射が必要な患者様もいます。糖尿病でのかかりつけの先生から、「現在使っている薬剤の作用機序+自分への効果」をしっかり聞き、その治療薬での効果を知るために「検査結果(ヘモグロビンA1cなど)」を自分で知っていることが大切です。

●自分の糖尿病の状態を記録+内科と内科以外の診療科の先生達の間での情報の共有に役立つ「糖尿病手帳」というものがあります。持っていない糖尿病患者様は、糖尿病でのかかりつけの先生に聞いてみて下さい。