慢性閉塞性肺疾患

●COPD(chronic obstructive pulmonary disease、慢性閉塞性肺疾患)とは、長期間の喫煙が原因で肺に炎症が起こり、息を吐き出しにくくなる病気です。日本には40歳以上の8.6%、約530万人以上の患者さんがいるといわれていますが、治療に取り組んでいるのは、1割も満たしません。

●COPDは有害物質の吸入や大気汚染によって起こります。中でも原因のトップにあげられるのはたばこの煙です。日本ではCOPDの原因の90%以上が喫煙によるものといわれています。

●COPDの患者様は肺炎や肺がんになるリスクが高くなると言われています。

●COPDで肺胞が壊れたり、細気管支に炎症を起こすと肺機能の低下を起こします。残念ながら、一度破壊され、変化を起こした肺を元に戻すことはできません。しかし、早く病気を発見して治療を続ければ、症状を和らげたり、病気の進行を抑制することが可能です。薬物治療で狭くなった気道が回復したという報告もあります。

●COPD が進行すると呼吸困難の症状により、運動能力や生活の質(QOL)が低下します。このような状態を改善するためには、薬物療法に加えて、運動療法(散歩など日常的な規則正しい運動)や栄養療法、日常生活の管理などを総合的に行うことが重要です。実際の現場では、COPDの状態にもよりますが、薬物療法で呼吸困難を軽減させ、散歩等の運動療法を行い生活の質を上げる治療が行われています。

●①40歳以上、②10年以上の喫煙歴あり、③坂道などで呼吸困難、3週間以上続く咳・痰・喘鳴、頻回に起こる風邪症状、といったことにあてはまる時は、かかりつけの内科の先生に一度相談してみて下さい。