新型コロナウィルス感染症

<新型コロナウィルス感染症に関して当院の院内勉強会での要点をまとめます>

①潜伏期間は約5日間、発熱や咳などの症状は約7日間持続。②約8割の患者様は自然に軽快・治癒。③80歳以上の高齢者の方、基礎疾患のある方、妊娠中の女性は重症化しやすく注意が必要。④健康な成人の方で4日以上”かぜ”症状が続く時、高齢者・基礎疾患のある方・妊婦中の女性で”かぜ”症状が2日続く時、小樽保健所に連絡が必要。⑤”かぜ”症状で自宅療養をしている患者様は、家族内感染を予防することが大切。

全身状態の経過:①感染から約5日間(1日間~14日間)の潜伏期間。②その後、かぜ症状(発熱、咳、痰、のどの痛み、鼻汁)、倦怠感が出現。③一部の患者様には嘔吐、下痢などの消化器症状が出現。④これらの症状は比較的長く続き、約7日間持続。⑤その後、約8割の患者様は自然に軽快して治癒、約2割の患者様は肺炎を合併、肺炎を合併した患者様の一部が重症化します。

新型コロナウィルス感染症で出現する症状の特徴:かぜやインフルエンザ、ノロウィルス感染症は、症状が出てから3日目~4日目までをピークに改善傾向に転じますが、新型コロナウィルス感染症は、それらの感染症より症状が長く経過します。②発熱が強くないのに倦怠感が強いことがあります。③肺炎を合併した患者様の中には、咳や痰がひどくない患者様もいます。

新型コロナウィルス感染症にかかり、命を落としてしまう患者様の発生率:①高齢者(80歳以上):14.8%、②心臓疾患:10.5%、③糖尿病:7.3%、④呼吸器疾患:6.3%、⑤高血圧:6.0%、⑥悪性腫瘍:5.6%、⑦健康な成人:0.9%

●高齢者・基礎疾患がある患者様は、健康な成人に比べ早い経過で診断・治療が必要となります。小児の場合、新型コロナウィルス感染症はほとんどが”かぜ”と同様の経過のみで治癒し、重症化することはまれです。

注意が必要な患者様:①症状が出てから4日以上症状が持続する患者様、②経過中に肺炎を疑う症状(咳、痰、息苦しさ、呼吸困難)が出てきた患者様、③症状が出てから4日未満であっても、高齢者の方、基礎疾患のある方、妊娠中の女性

●新型コロナウィルス感染症は、初期は”かぜ”症状のみで他の病気との鑑別が困難です。そのため、早期に医療機関への受診のメリットはありません。また、安易に医療機関を受診すると、他の患者様への感染拡大を引き起こす可能性があります。

厚生労働省によりる相談・受診の目安:①37.5℃以上の発熱や咳などの”かぜ”症状がある時は、毎日の体温測定・記録、不要な外出を避ける。②症状が4日続いたら小樽保健所に連絡。③高齢者の方・基礎疾患のある方・妊娠中の女性で症状が2日続いたら小樽保健所に連絡。④強い倦怠感、呼吸困難、水分が取れない、尿が少ないなどの症状が出てきたらすぐに小樽保健所に連絡。

”かぜ”症状のため自宅療養する間、家族内感染の予防が大切ですその時の注意点:①療養する部屋を他の家族と分け、家族との接触を避ける。②看病が必要な時は看病する人を限定する、但し高齢者・基礎疾患のある家族・妊娠中の女性には看病をさせない。③家族とタオルを共有しない。④患者様の入浴を最後にする。⑤療養する部屋から患者様が出る時はマスクをつけ、部屋を出る直前にアルコールで手指を消毒する。⑤患者様が触った所(ドアノブや手すり)をアルコール消毒し、拭き取った紙は再利用せず捨てる。⑥定期的に部屋の窓を開けて換気をする。⑦患者様の衣類や使った物を洗濯する際は、手袋とマスクをつけて行い、洗濯後には十分に乾燥させる。⑧患者様の出すゴミはビニール袋に入れ、口を縛り密閉してから部屋の外に出す。ゴミを扱った直後はシッカリと手洗いをする。