○ドライアイとは、涙の量や質の異常により、目の不快感、見え方の異常、目の表面の障害を起こす病気です。
○ドライアイには大きく2つのタイプがあり、涙の量が少ないタイプ、涙の量は充分ですが目の表面にとどまれないタイプがあります。
○現在、日本にはドライアイの患者は1000万人~2000万人おり、オフィスワーカーの3人に1人はドライアイ患者と言われています。
○ドライアイ患者の半数は目の疲れを自覚しています。
Q:ドライアイの症状はどういうものですか。
A:目の乾きは勿論ですが、他にも色々な症状があります。
●目の疲れ。
●目がゴロゴロする。
●目が重たい気がする。
●目に不快感がある。
●目を開けているのがつらい。
●目が痛い
●視界がかすむ。
●白っぽい目ヤニが出る。
●目がかゆい。
●やたらと涙が出る。
●光がまぶしい。
●目が充血する。
Q:涙が出ることでどうしてドライアイと診断されるのですか、一般的な流涙症とは違うのですか。
A:●涙が増える原因は大きく分けて次の2つがあり、ドライアイで涙が増える原因は①です。
①刺激により涙が増える
②涙が排出しづらい
●治療法は①と②では違い、①は原因である刺激の改善、②は涙の排出の改善と違う方法です。
●流涙症はその原因を診断し、適した治療を行わないと完治が困難となります。
Q:ドライアイには色々な症状がありますが、その診断は難しいのですか。
A:現在は診断基準が簡略化され、次の2項目があれば診断できます。ドライアイの診断は、眼科で簡単に短時間で行うことが出来ます。
①目の表面に付けた色素が目の表面にとどまる時間(BUT、涙液層破壊時間)が5秒以下
②ドライアイの自覚症状がある。
Q:ドライアイになりやすいタイプはありますか。
A:●加齢による影響として
①涙の量の減小。
②涙の成分で涙を乾きづらくする「油」を作る「マイボーム腺」の機能が悪くなり、涙が乾きやすくなります。
③白目(結膜)が弛み(結膜弛緩症)、涙をとどめることが難しくなります。
●女性の方が男性よりドライアイになりやすいです。
●パソコン、スマートフォン、モニターを見つめる作業を長時間行うとドライアイ症状が出やすくなります。
●冬の乾燥した季節ドライアイが悪化します。また、暖房により室内が更に乾燥してドライアイが悪化します。
●ソフトコンタクトレンズ装用者はドライアイが発症する割合が多くなります。
●タバコの煙で涙の質が変わり乾きやすくなります。
●「高血圧薬」や「向精神薬」などの中には涙の量を減らす副作用があるものがあります。また「TS-1」という抗癌剤は涙の量を減らし+目と鼻の間の涙道(涙小管)を狭くする副作用があります。
●シェーグレン症候群という病気では、涙の量が減少し重症のドライアイを発症します。
Q:ドライアイを持っている人はコンタクトレンズを使わない方が良いのでしょうか。
A:コンタクトレンズを使用することは出来ます。点眼薬で涙液を補充したり、乾きづらいコンタクトレンズを選んで使用して下さい。心配であれば眼科で相談してみて下さい。但し、ゴロゴロ感や違和感といった強い症状がある時はコンタクトレンズをお休みして眼科を受診して下さい。
Q:ドライアイの治療法はどういうものですか。
A:●軽度であれば、足りない涙液の補充や黒目(角膜)の表面の状態を整えるために点眼薬を使います。
●重症な時は、「涙点プラグ」というもので涙が目の表面から逃げないように涙の排出口に詮をします。