北海道眼科医会生涯教育講座

今回は<糖尿病黄斑症>に関する内容を載せます。

●最新の統計結果では、失明の原因疾患の1位は緑内障で以前からの結果と変化がありませんが、2位だった糖尿病網膜症が3位に下がり、3位だった網膜色素変性症が2位に上がりました。

●糖尿病網膜症が3位に下がった理由は、内科での糖尿病のコントロールが良くなり、眼科での糖尿病網膜症の治療の進歩があげられます。但し、糖尿病黄斑症を発症すると視力低下が顕著になります。

●糖尿病黄斑症の治療は、抗VEGF薬の硝子体注射が中心となります。ただ、効果が不十分時には網膜光凝固術(レーザー治療)ステロイド薬の硝子体注射orテノン嚢下注射 硝子体手術などを組み合わせて行います。

●糖尿病黄斑症の治療で抗VEGF薬の治療をしていると、糖尿病網膜症自体が改善してくるという結果が出ています。ただ、現在日本では糖尿網膜症の患者様でも、糖尿病黄斑症が無いと抗VEGF治療を行うことが出来ません。

●糖尿病黄斑症に関しては、当院のホームページの「目の病気」の中の「糖尿病網膜症」を参照下さい。

●糖尿病網膜症は、現在失明の原因疾患の順位が下がったとはいっても、まだ3位の位置にある疾患です。糖尿病患者様は、糖尿病の状態に関係なく眼科での定期フォローが必要です。