北海道眼科フォーラム

●平成20年から始まった特定健診で、眼底写真を撮る健診者の数が1/100に減っています。この現象は、特定健診では内科医師が眼底写真が必要と思われた場合にのみ眼底写真を撮るようになったからです。現在、健診で緑内障の診断が難しくなっています。

●健診で緑内障を疑われた人が眼科を受診する率は約50%であったという結果でした。

●緑内障で点眼治療を行っている患者様は、治療開始後1年を過ぎると急激に点眼治療を忘れてしまうという結果でした。

●緑内障で点眼治療を行っている患者様で、「自分は点眼治療を忘れないでやっている」と自己申告した患者様の3割は点眼薬をシッカリやっていないという結果でした。

●自分の緑内障の状態をシッカリ理解したり、主治医から点眼薬を忘れないように注意されると、患者様は緑内障の点眼薬を忘れずにする傾向があるという結果でした。

☆今後、高齢化が進んでゆくと緑内障の有病率が上がってゆきます。そのため、緑内障のマススクリーニングの充実と改善、また患者様の性格に合せた治療が必要です。

 

●今回のフォーラムでは前視野緑内障に関してのお話がありました。

前視野緑内障とは、眼底検査では緑内障を疑う異常がありますが、視野検査では異常を認めない状態のことを言います。この時期は原則的には無治療で経過観察します。しかし、精密な視野検査や光干渉断層計(OCT)で異常が検出される場合は、必要最小限の治療を開始することを考慮します。